高野山は山の上にあると聞いていたので、不便なところなのかナと、思ってましたが、すんなりと到着できました。奥の院に入ると、全身がビリビリしてきて、本当にお大師様の意識が宿っていることが実感できます。
樹齢何百年もの杉の木は、ものすごいパワーです。
「密⚪︎院」というお寺のそばまで来ると、敷地内のお堂の中でまるでバナナの叩き売りのような男性のの大声が聞こえてきました…
それにお客さん?いや…観光客いや、参拝客のグループのさわぎ声が聞こえ、何をやっているのかな…と好奇心にあおられた私は、そのお堂に潜入してみることにしました。
そこには、お坊さんが数珠のような、パワーストーンのような、なにしろ、よくお寺の境内の横で販売しているお守りグッズを、まるで魚河岸で魚をせりにかけているような口調で、『今日かぎりだよ、通常5千円の品物が千円でいいよー!!』
『これ買ったらご利益あるよー!』と言いながら、
お年寄りのグループをターゲットに販売していたのです。お寺も不景気なのかも知れないけれど、
お大師様の崇高な場とはうって変わったその光景に私は空いた口が塞がらず….「なんか、間違ってる?」そう思ったのは私だけではないはず。
翌日、ふらりと入った喫茶店のオーナーさんにこの話をしたら、近所の居酒屋さんに行くと、お坊さんの実態が分かるよ。と教えてくれました。
お坊さんたちは地元の酒場で大酒を飲み、話す内容はお金と女の事ばかり。給料制なので、会社員のように(全員がそうではないらしいが)お坊さんのユニフォームを脱いだら、さっさと高級車で遊びに行ってしまう人も珍しくないらしい。
そんな堕落したお坊さんがいるのは京都だけだと思ってたので、ちょっとショックでした。
「お坊さんも人間だもん」と言ってしまえばそれだけですが、朝のお勤めだって、正しく般若心経を唱えているのだろうか・・と疑いたくもなります。
さぞかし空海様が嘆いているだろうナ…。空海が日本に密教を広めたのは、この世に生きながらも仏になる道を伝えたかったからだろうし・・
ところで、その喫茶店のオーナーさんは都会で生活をしていた方で、人生後半は自分の好きな道を生きたいと思い、高野山でパワーストーンとカフェのお店を7年前に始めたといいます。
将来は自分もお坊さんの資格を取って、本物のお坊さんの生き方というものを、みんなに示したいとご自分の熱い想いを語ってくれました。
そんな美しい志をお持ちの方に出会えてラッキーでした。この方の隣にはきっと、空海様がついていらっしゃることだろう。
オーナーさんが心を込めていれてくれたあたたかいカプチーノの味は、また格別でした。
ありがとうございました。合掌