マウイ島にはTさんという友人が住んでいます。
Tさんは80年代に、初めて日本にエアロビクスを普及させるために来日した、ハワイ出身の
元エアロビクスのインストラクターです。
マウイ島はもちろん海に囲まれた場所で、ハレアカラというスピリチュアルな山もあって、
東京の雑踏を離れてマウイ島を訪れると、いつもホッとする感覚がしたものです。
夕暮れになって、ビーチまで行くと、人々が何処からとも
無くやって来て、夕日を見ながら皆、「オーム」というようなうなり声をいっせいに発する光景を
見ることができます。
自然界と、人間とが声でつながる光景を眺めるていると、言葉では言い表せない、何か胸にグッと
来るような、まるで、本当の自分に変えったかのような感じになるのです。
マウイ島に行ったある日、Tさんと私はショッピングモールの中のカフェでお茶を飲みながら、
いろいろとおしゃべりに花を咲かせました。
二人の会話の内容は、”別れた彼の誕生日が現在の彼と偶然同じだった。” というもので、
誕生日にまつわる偶然的な出来事についてでした。
しばらく話をした後、私達はカフェを出て、買い物でもしようかと、同じモール内になる衣料店に入って、
店内をブラブラと物色し始めました。
Tさんはとてもフレンドリーな性格で、その店のレジの女性に声をかけ、会話を楽しんでいました。
すると、突然Tさんは、大声をあげ、私を手招きして、こう叫んだのです。
ちょっと!聞いて~ッ!
このレジの店員さん、あなたと同じ年生まれなんですって!
まったく同じ誕生日なんだって~ッ!!
私;え~~~!!ウソでしょ~~?!
あまりのタイミングの良さと完璧なストーリーに思わず鳥肌がたちました。
そのレジの女性と私はお互いのIDとパスポートを見せ合い、
肩を抱きながら、笑顔で証拠写真を撮りました。
こんなことがマウイ島ではよく起こるそうです。
不思議なことってあるものですよね。